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進歩が終わった世界を、人はどう生きるのか?
厳しくも魅力的な姿として描かれる、自然と人間の共生
エコやロハスといったライフスタイルが世界的な話題になった現代。
日本でも農業が自然とともにある「豊かな暮らし」への憧れとも相まってブームになったのは記憶に新しい。
だが、いま本当の田舎や里山の暮らしとはどんなものなのだろう?
本作の舞台は南仏・セヴェンヌ村。
そこにあるのは、厳しい山間の土地で必要最小限のモノにかこまれ、自然や動物と共にある生活を営む農民たち。かつてはどこにでもあった農家だが、大規模生産や高齢化・後継者問題でその数は年々減少している。
そんな彼らは今や貴重な存在だ。

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厳しい状況下で様々な問題にぶつかり、
時には弱音を吐きながらも生の自然と向き合い続ける農家たち
真に人間的な「モダン・ライフ(現代の生活)」が次々に写し出されていく。
理想と現実の狭間で大きく揺れ動く農民たち。
変わり消えゆくことへの不安。
しかし、長い歴史の中で育まれた矛盾のない労働と生活も、また彼らの強い心の支えとなっていく。
これは、ファンタジーでもノスタルジーでもなく、素朴で昔ながらの生活にフォーカスすることにより、
まさしく人間本来の生活を描こうとしたドキュメンタリー。私たちは彼らの姿に、どんな豊かさを見つけることができるだろうか?

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仏ドキュメンタリー界の巨匠レイモン・ドゥパルドン
揺るがぬ眼差し、被写体への愛
カンヌ国際映画祭60周年記念製作映画「それぞれのシネマ」(2008)に、テオ・アンゲロプロスやデヴィッド・リンチ、
北野武といった名だたる監督たちとともに短編の製作を依頼されたメンバーの中で唯一、日本ではその作品が映画祭以外で未公開だった巨匠レイモン・ドゥパルドン。
ジャーナリストとしてアンリ=カルティエ・ブレッソンやロバート・キャパが立ち上げた世界最高の写真家集団マグナム・フォトに所属、
10代から世界中を飛び回りピュリツァー賞を受賞、近年では山形国際ドキュメンタリー映画祭でのグランプリ受賞や、
カルティエ現代美術財団での数度にわたる個展の開催という輝かしい経歴をもつ仏の写真家である。

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仏ドキュメンタリー界の巨匠レイモン・ドゥパルドン
揺るがぬ眼差し、被写体への愛
そのドゥパルドン監督が、自らの出自でもある田舎の農村をライフワークとして10年以上も撮影したのが本作。
同年のカンヌ映画祭では「ある視点部門」に正式出品されたのを皮切りに、セザール賞でノミネート、
またフランス国内で最も権威のある映画賞とされるルイ・デリュック賞では、ドキュメンタリーとしては異例ながらグランプリを受賞した。
名写真家が長い時間をかけ信頼関係を築いた上で引き出した農夫たちの素の表情、時の流れが止まっているかのうように何十年もの時の流れが染み付いた家や家具、
そして厳しくも美しい荒涼たる自然の風景。デジタル主流のドキュメンタリーの時代に、
撮影はすべて35mmシネマスコープサイズで行われ、ほんとうの「人間と自然の関係の豊かさ」を見事なまでにフィルムにおさめることに成功している。



