取材の多くは、ヨーロッパ各地で行いましたが、この作品にとって、どこでヒヨコを生産しているかとか、毎年何匹の子豚が解体されているかということはあまり重要な点ではありません。それはテレビやジャーナリストの仕事です。それに最近は特に、情報過多で物事が単純になり過ぎています。せっかく興味が湧いてもすぐ面倒臭くなり、単純な見方をしてしまいがちです。そうすると、日々世間を騒がすニュースとさほど変わらなくなり、僕たちの世界観までぼやけてしまいます。この作品は、いろいろな見方ができますし、イメージや音を感じられる「時間」もあります。そして、ふだんは無視されているような、僕たちの食べているものがどこで作られているか考えることも出来るのです。

前のページへ
次のページへ