僕の作品では、ふつう移動撮影にインタビューシーンが含まれています。しかし今回の場合は、ただ映像だけで作品として成り立つ場面が使われています。いつもは空っぽの空間で働いて、勤務中はほとんど会話もしない人々の映像を。ちなみに、最初何回かインタビューもしたのですが、ヴィダーホーファーが編集している時、インタビューを入れると、この作品の受け止められ方が本来意図したものでなくなってしまうと気付きました。それでもっとしっくりくるシーンの撮り方をしていこうと決めたのです。方法論としては、先に実際の勤務環境を見せ、その後で何かを想像させるために必要な「間」を持たせようしています。観客にはただこの世界に飛び込んで、自分なりの受け止め方をしてほしいと思います。

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